2006年2月アーカイブ
2月18日、横浜市は鶴見区で住民説明会を開きました。鶴見区のマンション「セントレジアス鶴見」の耐震強度が基準値の64%だったことを明らかにし、震度5強の地震で耐震壁にひび割れが生じる恐れがあると述べました。
このセントレジアス鶴見は、姉歯秀次元一級建築士以外の建築士が構造計算を行った、いわゆる「非姉歯物件」で、ヒューザーが販売、木村建設が施工、建築確認は日本ERIが担当していたものです。
市は「故意に偽装した形跡はなく、構造計算や確認検査にミスがあった」と説明している。(日経住宅サーチの記事より引用)
東京都大田区は、姉歯秀次元一級建築士が構造計算を手がけた分譲マンション「グランドステージ池上」の住民説明会を開催しました。その中で耐震強度が基準の45%だったことを発表、2月11日に住民に対して自主退去を勧告しました。
このグランドステージ池上は、姉歯秀次元一級建築士が最初に偽装したと証言した物件ですが、大田区の助役は住民説明会で「建築確認で偽装を見抜けなかった」と住民に対して謝罪したうえで、「一刻も早く再建を実現する」とし、大田区で責任をを果たすと明らかにしました。
姉歯秀次元一級建築士による耐震強度偽装が明らかになったことに端を発したこの耐震偽造問題は、姉歯物件のみにとどまらず、どんどん明らかになってきました。
2月10日の記者会見で、北側一雄国土交通大臣は「姉歯元建築士が関与していない約700件の調査を年度内に終え、現状を正確に把握したい」と述べました。これは、いわゆる「非姉歯物件」での耐震強度偽装物が相次いで発見されていることを受けたもの。
国交省は木村建設(熊本県八代市、破産手続き中)、平成設計(東京・千代田、破産手続き中)、総合経営研究所(東京・千代田)、ヒューザー(東京・大田)の関与した607件について偽装の有無などを調査するよう自治体に依頼。これまでに395件の報告があり、3件の偽装が判明した。(日経住宅サーチの記事より引用)
福岡県の設計会社、サムシングによる物件の数が、福岡県内を中心に1万件以上にのぼることが明らかになりました。再計算を行う方針の福岡県や福岡市の担当者は悲鳴を上げているようです。
同社の代表者だった仲盛昭二1級建築士は福岡県に対し、「1万2000件に関与し、その約7割が構造計算書の添付が義務付けられた物件だった」と話しているが、「書類は廃業の際に散逸した」と説明している。(日経住宅サーチの記事より引用)
県や市に書類が残っているのは40物件だけというから、すべてを明らかにするのはほとんど無理だと思われます。
2月8日、一連の耐震強度偽装事件で新たな動きがありました。なんと、姉歯以外の偽装物件が出てきたのです!
国土交通省は8日、姉歯建築設計事務所ではない設計事務所が構造計算を行ったマンション3件が福岡市内で確認されたと発表しました。いずれの物件も、かの木村建設が施工したものです。
姉歯秀次元一級建築士以外の偽装が判明したのは初めてです。今回判明した偽装物件の構造計算を行ったのは「サムシング」という福岡県の設計事務所です、すでに2002年に廃業しています。
これから「サムシングショック」が吹き荒れる予感がします。
インテグラルという会社をご存じでしょうか? この会社は耐震診断ソフトを開発する会社で、茨城県つくば市にあります。
インテグラルは「経営革新計画」の承認企業です。
インテグラルの「木造住宅の耐震診断システムの開発」についての取り組みが、茨城県から「経営革新計画」として承認されました。(同社ウェブサイトより引用)
このインテグラルの柳沢男社長が、NPO法人(特定非営利活動法人)「木造住宅耐震フォーラム」を立ち上げました。木造住宅の耐震改修促進などを目的に、茨城県内の建築関連業者や研究者らに参加を呼びかけていくとのことです。
一連の耐震強度偽装事件で2月5日、「グランドステージ川崎大師」の住民説明会が開かれました。このマンションでは施工した太平工業の金山亜希雄副社長は、住人に対して「一部の施工にミスがあったため、補償をしたい」と述べました。
先月29日の調査の結果、グランドステージ川崎大師では「スリット」と呼ばれる地震の揺れを吸収する設備が設置されていないなどの施工ミスが発覚しています。金山副社長は「ミスはあったが耐震強度に問題はない」と述べたとのことです。
説明会終了後、会見した同マンション管理組合副理事長の男性(42)は「まだ施工ミスはあると思うので最大限の補償を求めたい」と話した。(NIKKEI NETの記事より引用)
太平工業では、以下のページに調査結果をPDF形式でアップしています。
新生銀行が、一連の耐震強度偽装問題に関して、分譲マンションの入居者に対する支援策をまとめました。同行の住宅ローンを借りていた入居者に対しては、要望があれば金利払いをすべて免除したうえで、元本の返済も猶予期間を設定するとのことです。
支援期間は3年とし、支払いの猶予を受けていた顧客は、返済の総額は変更せずに3年後から返済を再会していくしくみです。返済期間についても延長を認める方針で、要望に応じて完済時の年齢を80歳まで延長に応じる方向です。
この問題については、全国銀行協会(全銀協)が返済の一時繰り延べなども含めて対応策を加盟行に要請し、各銀行では検討を進めているところです。
1月31日、ヒューザーがイーホームズに対して総額5億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。
訴状によれば、イーホームズがウェブサイトなどにおいて、あたかもヒューザーが偽装を隠蔽しようとしたかのように掲載していた件や、イーホームズの藤田東吾社長が衆議院国土交通委員会の参考人承知で語った発言の内容は虚偽であると主張しています。
ヒューザーの「オジャマモン」こと小嶋進社長がまたまたやってくれました!
1月30日、今度は自治体を相手取っての提訴です。18の自治体に請求した賠償額の総額は139億円にのぼります。
耐震強度偽装事件で、ヒューザーは30日、東京都など18自治体を相手に約139億円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。違法建築物を未然に防ぐ注意義務を怠り、建築確認で偽装を見逃したために損害をこうむったと主張。民間検査機関による見逃しについても賠償責任は自治体にあるとしている。(アサヒコムの記事より引用)
訴訟費用だけでも2000万円とも言われています。住人の中には「頑張れ」という声の一方で「そんなことに使うのなら早く住人補償を」と意見が割れているそうです。
1月30日、国土交通省の諮問機関である社会資本整備審議会の専門部会が、耐震強度の偽装などを犯した設計者・建築主に懲役刑を課す方向で中間報告をまとめました。2月下旬に正式にまとめたうえで、今国会に提出される建築基準法や建築士法の法改正に盛り込む意向です。
この中間報告は21項目の安全確保対策からなり、生命に関わる違反を犯した設計者や建築主への懲役刑のほか、不正を行った建築主に対する罰則の新設や免許の取り消しなどが盛り込まれています。
